天秤座の神話
この神話の主人公は、正義の女神アストレアです。
女神アストレアは、その手に天秤を持っており、それによって人間の犯した罪を計るのだといわれています。
神話の時代、世界はいくつかの時代に分かれていました。
黄金時代は、神々は人間達と共に暮らし、春のように穏やかで平和でした。
銀の時代は、人間の間に貧富の差が出来はじめ、争いごとが増えてきました。
青銅の時代には、弱者と強者がはっきりとして、お互いを傷つけ合うようになりました。
鉄の時代になると、敵と味方に分かれて、相手を殺そうと激しい戦争を繰り返しました。
正義の女神アストレアは、それぞれの時代を冷静に見つめて、公平に、人間の罪をはかろうとしてしていたのです。
争いが増え、ほとんどの神が天界へ戻ったあとも、女神は人間たちのことを信じて、人々に正義について説くことを止めませんでした。
しかし、それにもかかわらず人間は戦争ばかり繰り返すようになったため、女神アストレアはとうとうあきらめて、天に戻っていってしまったのです。
人間のひどく愚かな姿を見ても感情的にならず、成り行きを見定め、どうにか調和を図ろうとした女神アストレアの姿が、天秤座の性質と重なります。
正義感と思慮深さの両方をバランスよく持っているのが天秤座だといえます。